Eprobe®/Eprimer™ : 技術情報
□Eprobe®/Eprimer™の技術概要
Eprobe®は、ダナフォームが理化学研究所(理研)と共同開発した、励起子相互作用を持つ人工核酸を利用する蛍光プローブです。 Eprobe® PCRは、目的のDNA配列を特異的に定量することができるほか、塩基変異検出にも応用できます。
□Eprobe®の特徴
- □目的の核酸配列に特異的にハイブリすることで発光
- □一本のプローブでリアルタイムPCR検出、融解曲線解析が可能
- □通常オリゴDNAに比べTm値が高い
□リアルタイムPCRにおけるEprobe®の機能
Eprobe®は、チミン塩基に蛍光色素が2つ結合した構造をもちます。 Eprobe®がターゲットのDNA配列と結合し2本鎖を形成すると、2つの色素が分かれて、色素間の励起子相互作用が解除され蛍光を発します。 リアルタイムPCRを行う際に十分な量のEprobe®を加えておくと、プライマーがターゲット配列にアニールするステップにおいてEprobe®も結合します。 このとき発する蛍光を測定することで、目的とするDNA配列のみを定量することができます。
□使用例
Eprobe® PCR後の融解曲線解析において野生型の塩基配列に完全一致で結合したEprobe®とミスマッチをもつ変異型の塩基配列に結合したEprobe®では、融解温度(Tm)に差が生じることになります。この差を解析することで変異型の有無を調べることが可能になります。
□Eprobe®とEprimer™の違い
□Eprobe®

3’末端が3’-Spacer C3で修飾されており、伸長反応を起こしません。PCRプローブとして特異性の高い反応を実現できます。
□Eprimer™

3’末端は修飾されておらず、通常のプライマーと同様に核酸増幅反応において3’末端からの伸長反応が可能です。
□Eprobe®およびEprimer™の使用方法
□Eprobe® PCRにおけるプライマー、Eprobe®濃度の例
Eprobe®を効率よくPCR産物の片側のDNA鎖に結合させるためには、非対称PCRを行う必要があります。すなわち、PCR反応中に加える2種類のプライマーのうち、Eprobe®が結合するDNA鎖を合成するプライマーを、もう一方のプライマーより多くなるように加えます。例えば、Eprobe®が結合する鎖にアニールするプライマーを0.1 μM、反対鎖にアニールするプライマーを0.5 μMとし、Eprobe®は0.4 μMで使用します。
□Eprobe® PCR サイクルの例
温度 | 時間 | サイクル |
---|---|---|
95℃ | 10 min | |
95℃ | 15 sec | 50 cycles |
58℃ | 30 sec | |
72℃ | 12 sec |
□Eprobe® を用いた融解曲線解析の例
温度 | 時間 |
---|---|
45℃ | 30 min |
95℃ |